当院は、平成20年5月に甲状腺診療を中心とするクリニックとして久留米市城南町に開業いたしました。受診をいただきました患者さまをはじめ、ご紹介を賜りました先生方のご厚情に深く感謝を申し上げます。
近年、甲状腺に関する社会的関心は高まり、学校、職場検診やPET検査での異常、家族歴を有する患者さまからの精査依頼など、甲状腺精査を希望する患者さまは増えております。特に、不妊外来からのご紹介は多く、不妊症や不育症との関りは大変重要と考えております。
前任の久留米大学病院内分泌代謝内科では、甲状腺疾患に関する臨床と研究、特にバセドウ眼症について研究を行いました。貴重な甲状腺症例を拝見させていただき、日々の診療で得られるものは非常に大きなものだと実感しております。特に不妊症と甲状腺の関連が示唆され、不妊症治療に参加する多くの機会を頂き、内科医でありながら生殖医療に間接的にかかわることができました。
令和3年12月にご縁があり、久留米市旭町55-2に移転し甲状腺クリニックとして新たな一歩を踏み出すことにいたしました。これまでに約1万人の患者さまに受診していただき、ここまでクリニックを成長させる事ができました。これまで、狭い待合室で座れずお待ちいただくことや少ない駐車場のため、空きをご心配いただきながら受診をされた方々、大変ご不便をおかけし申し訳ありませんでした。移転後はこのようなことがないと思われます。どうぞご安心の上、受診をいただければと存じます。
当院での診療は内服治療が中心です。このため、バセドウ病での手術療法や放射線療法が必要な症例には、近隣の医療機関をご紹介することしかできません。しかし、国による治療選択の割合に違いはありますが、日本ではバセドウ病治療で内服が選択されるのは実に90%以上とされております。当院の責任はバセドウ病治療における適切な治療選択と内服管理であると考えております。なるべく内服を中止する明確な目的の元、甲状腺の機能管理を行うこと、そして内服の中止が今後も難しいと思われる症例では手術療法や放射線治療を適切な時期にお勧めするのも我々の責務と考えております。
甲状腺疾患の多くは採血検査とエコーなどの簡単な検査で診断に至ることが可能な病態です。
その一方で、診断までに難渋する症例も少数ではありますが存在します。また、慢性甲状腺炎(橋本病)など、甲状腺疾患は比較的有病率の高い病気でまれな病気ではありません。
当院は、甲状腺に関する明確な診断を行い、治療が必要な症例に関して、最も適した治提方針をご提案させていただきます。また、手術や放射線治療が必要な症例では久留米大学病院、久留米大学医療センターをはじめ、小池病院(佐賀)、やましたクリニック(福岡)など甲状腺専門施設をご紹介し、甲状腺を患う患者さまが不安のないよう治療方針を立ててまいります。
また、隔週土曜日に、東北医科薬科大学准教授 谷 淳一先生(前任:久留米大学病院内分泌代謝内科講師)の定期外来日を設けております。
筑後地区での甲状腺専門医認定施設としての役割を果たし、甲状腺疾患の患者さまと共に歩んでいければと考えています。
平成 | 8年 | 3月 | 獨協医科大学 卒業 |
10年 | 4月 | 久留米大学大学院医学研究科 入学 | |
18年 | 11月 | 久留米大学大学院医学研究科 修了 |
平成 | 8年 | 5月 | 獨協医科大学 第一内科 入局 |
9年 | 2月 | 久留米大学医学部内分泌代謝内科 入局 | |
18年 | 10月 | 同 病棟指導医 | |
19年 | 4月 | 同 副病棟医長 | |
20年 | 5月 | 迎内科クリニック 開業 |